古民家という選択
最近人気の古民家、実は非常に長持ちな家なのです。
コンクリートは5、60年で寿命と言われていますが、檜は非常に長持ちで300年かかって熟成すると言われています。だから作られてから徐々に乾燥して、強度は上がっていきます。優れた木造建築物は国内では1000年を超える建物が残っているほど、実は非常に丈夫なのです。
よく100年を超える古民家をリフォームとありますが、実際まだまだ耐久性は落ちていないのです。
鉄より長いライフサイクル
最近の住宅とは違い、古民家は柱と梁がベースになっています。
簡単に言えば垂直に立っているのが『柱』、水平に渡されているのが『梁』となります。
鉄製の釘などは結局錆びてしまえば強度は低下します。
古民家は基本的に釘などの鉄製の接合剤、補強材に頼らず、伝統的な軸組と呼ばれる構法で組まれています。
地震に強い石場立て
また、基礎は石場立てと呼ばれる工法がよく見られます。
土の上の石に柱を立てて基礎にする為、柱を石にあわせて整形する高い技術が必要になります。
この工法は地震の際に、石から柱がずれて建物に直接ダメージを与えずません。ちょうど最近のマンションによくある免震構造に似ています。
現在の住宅は基礎に建物が接合されていますので、地面と一緒に揺れてしまうので、建物自体に被害が及びやすいのです。実際新潟での地震の際には、多く倒壊する新築の住宅の中に、石場立ての民家がわずかなダメージで数多く残っています。非常に耐震性に優れているのです。
分厚い土壁は吸湿性抜群
その他に大きく違うのは壁の作り。
現在の住宅では建築法をクリアする為に壁量計算で強度をとらなければいけません。
その為に壁はただの『壁』となっています。
それに対して古民家の厚い土壁などでは、優れた吸湿性を持ち、夏は涼しく冬は暖かい厚い土壁が基本となっています。
特に夏は夜に吸収した湿度を、温度が上がった昼に発散させて気化熱で壁の温度が下がります。古民家に夏に入ると何となくひんやりするのはこの為です。
古民家は建築基準法が大きく関わります
現在、規制緩和が検討されています
古民家の大規模な改修、増築、または用途転用などする場合には現在の建築基準法が適用されます。
しかし、現在(2013/9)政府の国家戦略特区として『古民家特区』が検討されています。
現在、古民家をリフォームしようとすると建築基準法(国土交通省)、消防法(総務省)などに適合させなくてはなりません。また宿泊施設などにする場合には、旅館業法(厚生労働省)への適合も必要になりますが、それらを一括して規制緩和しようとする動きです。
また最近、建築基準法が制定された1950年以前の建物を、積極的に扱っていこうとする会社(住友林業など)もあります。